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書評の記事一覧

 

 『「通貨」を知れば世界が読める』     

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リクルーティングの岡村淳史と申します。

みなさんにご紹介したい本は、

『「通貨」を知れば世界が読める』 浜矩子著、PHPビジネス新書


みなさんが、この文章を読んでいる時は、1ドル何円でしょうか?
ちなみに、僕がこの文章を書いている時は1ドル76円54銭です。
ご存知のように、1ドルが何円というのは日々、為替市場で取り引きされる為替相場で決まります。

今から40年前までは、1ドル360円と相場が決まっていました。
1ドル360円といえば、現在の円の価値と比べて5倍近く円の価値が安い時代です。

つまり、円安の時代です。
円の価値が安いので、日本から商品を輸出する時には、100ドルの商品を売った場合、3万6000円で売ることができた時代です。

しかし、現在では、40年前と比べて円の価値が1ドル約76円と5倍近く高くなっています。

つまり、円高の時代です。
同じ100ドルの商品を売ったとしても約7,600円でしか売ることができません。

日本で作った商品を外国に輸出して売るという経済システムで経済大国になった日本では、現在のような円高の状況が続くと、国内の産業にとっては大きな痛手です。

人件費の高い日本で商品を作らなくても、人件費の安い海外で商品を作った方がいいと考えて、すでに多くの企業が海外で商品を作り始めています。

政府はいろいろ対策を立てて、このような円高の状況を何とか食い止めようとしていますが、なかなか円安の状況にはなりません。

そのような円高の時代のさなかに、著者の浜さんは、

『1ドル50円」という「まさか」は必ず起こる』

と主張します。

この円高の時代に、さらに、円が30円近く高くなるなんて信じられない主張です。

その他にも、
『「リーマン・ショックもまた、円によってもたらされた』
『実は円が世界を動かしていた』
『円は世界初の隠れ基軸通貨』

・・・等、驚くような主張がずらりと並びます。

浜さんが主張するような『1ドル50円の「まさか」』は必ず起こるのでしょうか?

興味のある方は本書を紐解いてみて下さいね。
 

 『この秋は、アートでいきませんか』     

_SS500_
こんにちは。
SRCの社内販促部門の藤本です。

10月から神戸ビエンナーレが開催されるということで、アートについての本を紹介したいと思います。少し長くなりますが、お付き合い頂けると幸いです。

私事ですが、この夏、ART OSAKAというアートフェアに初めて行きまして、(関西や東京・海外からギャラリーが集まる展示販売のイベント)
「いいな」「欲しいな」と思える作品がすごく多かったことに驚き、さらに、このアートフェアと言われるものが全国の主要都市等で盛んに行われていることを知りました。


そんな経緯があり手に取ったのがこの本、
「現代アートビジネス」
小山登美夫著 アスキー新書

●何故、アンディ・ウォーホールの作品には、80億円もの高値がつくの?
●現代アートはわけがわからない。
●現代アートの値段ってどうやって決まっているの?
などなど、「わかる人だけがわかればいい。。」なんていう近寄りにくい現代アートの世界をビジネスやマーケットの観点から解説してくれる1冊

小山登美夫氏は、「奈良美智や村上隆を世界に売り出した人」という実績を持つ業界ではかなり有名なギャラリストということで、信頼性も高いんではないでしょうか。
(ギャラリストは、ギャラリーを運営しながらアーティストを発掘し世の中に売り出すプロデューサー的な職業)



細かいところは本を読んでもらうとして、
特筆すべきは、「日本は世界屈指のアート需要国である」!?という点。
2006年度、世界の美術展観客動員数データベスト10に、東京の美術館での企画展が5つもランクインしているとのこと。ニューヨークやパリ、ロンドンでもなく東京が、です。
「日本人は世界屈指の美術鑑賞好きな国民」っていうのが驚きじゃないですか。

そういや昔、兵庫県立美術館のゴッホ展に行った時なんか、2・3時間並んで待った記憶がありますし、最近だと、借り暮らしのアリエッティ×種田陽平展も来場者がかなりの数だと聞きました。

そんな美術鑑賞好きの国なんですが、バブルや絵画ブームで痛い目に遭った後遺症で、一時期は、投資的なものとしてのアートが根付くのが難しい状況だったようです。

凄く個人的な意見なんですが、ゴッホやモネ・ダリetc..ブランドが確立されている有名な画家はいいとして、現代アートやギャラリーというとなんか胡散臭い感じがするのは、「バブル期のアート恐怖症」の国民的な刷り込みみたいなものがあるんじゃないか?なんて考えたりします。

しかし近年、国内のオークションハウスがようやく登場し、バブル期のように海外一辺倒の投資ではなく、日本の若いアーティストの作品に投資する人が多くなってきているとのこと。
若いアーティストの作品を買い、何年か経って値段が上がったらオークションハウスで販売。売ったお金でまた若いアーティストの作品を買う。
といった流れが日本でも可能になり、新しいギャラリーが続々とオープンし、ギャラリーが若手アーティストを発掘し売り出す。という良い循環が生まれているみたいで、マーケット層が厚くなりつつあるのは確かだそうです。
ようやくアートビジネスを行う最低限のインフラが整ってきたとこの本では分析しています。
(2007・2008年の好景気時の話なので、現在はまた少し状況が変わっていると思いますが)

このような流れがクールジャパンの一翼を担っているのは間違いなく、アーティストのクオリティの向上のための環境作りや、プレス戦略等、ギャラリストを始め、陰で支える人たちの努力を感じざるを得ません。



2005年にスタートしたアートフェア東京は、年々成長を遂げ、2007年には総売上で前年比の5倍、10億円の実績を残し、2008年のフェアには前年の2倍以上の応募が殺到。今や日本最大級のアートフェアとなり、その流れが日本各地に広がっています。ART OSAKAもそのひとつというわけです。

他にも丸の内で「アートアワードトーキョー」があったり、各地でビエンナーレやトリエンナーレが開催されたりと、日本のアートシーンはにわかに活気づいている。神戸でも神戸ビエンナーレや六甲アートウォークなどが開催されています。特に神戸ビエンナーレは、2年に1回開催される関西最大級のアートフェスティバル。今年は、アートを楽しむ絶好の機会といえます。

わけのわからない現代アート作品にも、アーティストはもちろんコレクターやギャラリスト、オークションといった流れが存在し、複雑に絡みあっていると考えたら、今までより少し違った角度からアートを見て、楽しむことができるかもしれません。神戸ビエンナーレの開催に合わせて、メリケンパークオリエンタルホテルで神戸アートマルシェというアートフェアも開催されます。

食欲やスポーツもいいけど、この秋は、アートもいいんじゃないでしょうか。



余談ですが、海外の有名アートフェアでは大手銀行が大スポンサーとしてフェアの開催を支えているらしく、マイアミで行われるアートバーゼルでは、1泊10万ユーロ以上するスイートが満室になり、空港は自家用ジェットが数百機も集まり、1点数億から数十億の作品が右から左へと売れていくそうです。なぜなら、海外の有名アートフェアは、投資目的で世界中の金持ちが一同に会する盛大なイベントだそうで、そりゃスポンサーにもメリットがあるはずです。アートだけでなく異業種を含めた経済波及効果は凄まじいことになっているんでしょうね。
アートビジネスの力おそるべしです。

以上、最後までお付き合い頂き有難うございました。



 

 『休日の過ごし方について』     

_SS500_こんにちは、安原です。
みなさん休日はどの様に過ごしていますか?

社会人になり始めた頃は少ない休みを、どう使うか、友人と遊びすぎて月曜日に疲れてたり、逆にゆっくり休もうと思って1日中寝すぎたりと四苦八苦した覚えがあります。最近はペース配分もでき、自分なりに満足した休日を過ごしていると思っています。

今回はその休日をどう過ごすか
「知の休日―退屈な時間をどう遊ぶか」という本を読みました!

この本は、疲れ切った毎日を休日でどうリフレッシュするか。
本やアート、車など…と遊び、アタマとココロに心地よい刺激を与える
新しい緊張感のある休日を提案している、
休日の過ごし方のマニュアル本です。

休日の過ごし方を見直してみようと思います。

あと、この本は最近の読みやすい本とは違い色々な比喩の使い方
で表現されていたので、そういう意味でも勉強になった本でした。

本:知の休日/五木寛之 集英社新書
 

 『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』     

04731521
こんにちは、
リクルーティングの
岡村淳史と申します。


みなさんにご紹介したい本は、
『心がフッと軽くなる
「瞬間の心理学」』 
名越康文著 角川SSC選書





みなさん、日々の仕事や生活で心や身体が疲れていないですか?
日常生活で何か悩みやトラブルを抱えていて、とても辛い状況になったことはありませんか?

自分だけは大丈夫と思っていても、いつの間にか、うつ状態になってしまったり、自殺を考えたりする人が増えています。

2010年の日本の自殺者数は3万1560人で、3万人超えは13年連続で、
交通死亡事故者数4863人の約6倍もあり、心の問題は、現在の日本を生きる者にとって避けては通れない問題となっています。

心が疲れていたり、弱っていたりすると、誰もが、一度や二度は、いっそのこと、その辛い状況から逃げ出したいと思ったりしますよね。僕自身も毎日逃げ出すことばかり考えています(ちょっと多すぎますよね)。



できることなら、心も身体も健康で仕事をしたり、日々の生活を過ごしていきたいものですね。

でも、疲れて、弱ってしまった心はそう簡単には変えることはできない・・・。

よく言われるように、「性格はなかなか変えられない、心だってそう」って。



著者の名越さんも、確かに、「性格は変わらない」と言います。
しかし、「心はものすごく変わりやすい」と言います。

名越さんが言うには、

心という部屋の壁にはジャック(差し込み口)がいっぱいついていて、
そのジャックに、自分の目や耳、あるいは頭から伸びている「意識」というケーブルをつなげると、ディスプレイの中に、心の風景が浮かび出される。
そんなイメージで心というものをとらえたら、ジャックのつなぎ方次第で、心のありようは変わってくる。外界の物事は天国にも地獄にも見えてくると。

自分次第で、一瞬のうちに心がフッと軽くなるそうです。

では、どうやってできるのか?

本書をひも解いてくださいね。


この文章を書き終えた時、夜22時を過ぎて、
とんこつラーメンとヤキメシ大盛りと唐揚げ5つを食べてしまった自分を、
翌日、今だに責めている自分がいます。





 

 『仮説思考なんて怖くない』     

_SS500_はじめまして、SRCの社内販促部門で制作をしている藤本です。

今回僕が選んだ本は
「99.9%は仮説」竹内薫著
(光文社新書)




ビジネス雑誌やビジネス新刊なんかでもよくお目にかかる「仮説思考」という言葉。僕なんかその言葉を見ただけで「難しそうだなー」って何となく思っちゃうんですが、そんな苦手意識を少しマシにしてくれるような1冊。

この著者、東京大学理学部物理学科卒業のサイエンスライターでして、「科学」を切り口に話を展開させていきます。

「飛行機がなぜ飛ぶのかは、実はよくわかってない」なんていう怪しげな内容からスタートして、他にも地球温暖化の原因やら、以前あったBSEの問題やらの詳しい原因も実はよくわかってないらしいと続きます。

「科学」っていうと、なんだか論理的で確実なもののようなイメージがありますが、ほとんどが仮説でできているということらしく、それは飛行機のような私たちが常識的に使用してるでさえ、仮説であるらしいんです。

例えば、最近の出来事でいうと「原発」なんかそうですよね。
日本は原発の技術力が高いから安全だみたいな常識がなんとなくあった。それが、今回の地震で一発で覆った。

つまり、常識なんてものは『ある仮説がその時うまく機能しているだけで、もしかしたら、それはある日常識でなくなる可能性がある』なんてことを、この本では事例を挙げて「人の歴史はそんなどんでん返しの繰り返しだー」なんていってます。

じゃあ、タイトル通り、「世の中にある当たり前のもの」のほとんどが仮説だったりしたら、自分が普段考えていることも普通に仮説。じゃあ仮説思考なんて至極当たり前のことなんじゃないでしょうか。

それなら苦手意識もなくなるような気がします。

もっというと、自分が当たり前にしてることをもっと疑っていく癖を付ける必要があるんじゃないかって思います。それができれば、自分の仕事の可能性がもっと広がるかもしれない。


案外、自分の仕事の範囲って自分で決めてしまっていることが多いんで。(と自分に言い聞かせたい)


新しいアイデアやモノの見方もできるようになるかもしれません。



まあ、この本自体を疑って見る必要があるのかもしれませんが。
(結構、極端な話の本なのかもしれないんで)
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