_SL500_AA300_こんにちは、SRCの社内販促部門で制作をしている藤本です。

今回僕が選んだ本は、
博報堂ブランドデザイン著
「応援されたくなる企業」の時代
です。



情報過多・供給過多で物が売れなくなり、
マクロ経済では世界の投資家が日本にNoを突きつけている。
さらには、3.11以降、社会的価値観に大きな変化が起きている昨今、
企業というものが、これからどうあるべきか。

それを企業ブランディングの最前線にいる博報堂ブランドデザインチームが、これから企業のあり方って、こうなるんじゃないかと考察する一冊。



~マーケティングが通用しない生活者とどう付き合うか~
これがこの本の中の大きなテーマとなっていて、
ビッグクライアントを抱える、大手広告代理店の実状みたいです。


何故、マーケティングが通用しなくなっているのか?
本書では、こう分析しています。


これまでは商品をPRする際、その商品を利用した日常のシーンのメリット具体的に提示する「この商品を使えば、こんな場面に出会える」という感じ?の「モノからコトへ」という訴求方法が主流だった。今でも主流と思いますが。


ある程度、満たされたレベルに達した顧客に新しい感情面の付加価値の提供ですね。具体的なベネフィットを分かりやすく提案する。
王道であり、基本的なPR方法。



しかし、企業の凌ぎを削る競争の結果、今や、市場には同じようなモノが溢れかえり、的外れ感がただようになってきた。
顧客にとって、企業はモノやサービスをこれでもかと無理やり売ろうとする存在、メリットをもたらす仲間どころか、悪くすれば敵のような存在として捉えられてる現象がおこっていると言っています。



確かに、自分におきかえると、巷では同じようなものが多いし、
何かすごく欲しいわけでもないなあ~なんて思うことも多い。
なんか、目がさらに厳しくなっているというか。。




そしたら、どうしたらええねん?と。
この本では、「ターゲット発想からコミュニティ発想というのがこれからのスタンダードだ!」と力説してます。


というのは、


これまで企業が発信した情報は、
顧客へ一方向に発信していればよかった。
でも、今や顧客は、SNSやインターネットで情報を得たり、
企業が発信した情報を鵜呑みにせずにコミュニティ内の
他のメンバーと確認することが可能になった。
その結果、企業と顧客は上下の関係ではなく、
企業もまたコミュニティメンバーと横並び状態になってきている。
じゃあ、「売らんかな」っていうスタンスより、
顧客との共同体として一緒に歩んでいく。
そんなスタンスじゃないと顧客は付いてこないと言っています。



じゃあ、顧客は何を基準に商品やサービスを選ぶのか?
それは、企業の明確な将来像=ビジョンであるとあります。


ハーレーのようにビジョンやスピリッツに共感し、ファンを獲得する。
ファン自身がコミュニティを作り、企業のヴィジョンを発展していく。
それによって新しいファンが増えていく。

「toCでもなく、fromCでもなくwithCだそうです」。


他に例えるなら、ヴィッセル神戸とかはどうでしょう。
クラブ(企業)のスピリットに、サポーター(顧客)が共感して、
サポーターがさらにヴィッセルのヴィジョンを発展していってると思います。
「お客さん」を「サポーター」という感じが近いのかな。

最近メディアでよく取り上げられている糸井重里の「ほぼ日」なんかも
フラットな姿勢で熱狂的なファンを獲得し成功したケースなんじゃないかなと思います。
糸井重里の著書「ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)」でも
「『BtoC』や『BtoB』じゃなくて『B&C』『B&B』なんじゃないかな」と言ってます。


じゃあ、私たちSRCはどうなんだ?というと、
「兵庫県でもっとも必要とされる企業」「いい街はいい人生でできている」
といった兵庫県に根差したスローガンのもとに、求人やクーポン誌やラジオなどのメディアを通してこのビジョンに共感してもらえるファン作りを行っている。


要するにブランディングってものの大切さに、ますます拍車がかかっているということなんですが、ビジネスの最先端じゃあ、そんなとてつもないことが起こってるんだなあと身につまされる思いです。
 


で、やっと話がタイトルの「ターゲットに物を売るのが間違い」なのか?に戻ります。

僕らが当たり前のように使っている
「ターゲット」を始めとするビジネス用語、
「戦略」は当たり前として、「セグメント」だったり実はほとんどが軍事用語。
言われてみたら、そらそうだと思うんですが、自分はあんまり気にしてませんでした。


本書では、「共に進んでいく仲間で有るはずの顧客に対する言葉じゃない。顧客が、まるで敵であるかのような言葉。」
と説いてます。

考えすぎなんじゃないかな~って思ったりするんですが、
たかが言葉、されど言葉。言霊なんていうくらい、言葉には力があるので、一理あるかなと。

どうですか、これからは、ターゲットの変わりにを「ファン」という言葉を、
セグメントの代わりに「コミュニティグループ」と
使ってみてはいかがでしょうか。
(自分が使いやすいコトバで良い思います)

かなり大風呂敷を広げたような話で、わかりにくいんですが、
ちょっとした用語に気を使ったり、会社のビジョンを頭の片隅にでも意識しながら仕事に取り組む。
企業のヴィジョンを社員が体現していく。
これからのビジネスパーソンとして大切な事なんじゃないかなと思う次第であります。


長々とすいません。最後までお読み頂き、有難うございます。